capoeira(カポエイラ)とは??


「カポエィラ」それは約300年前から伝えられてきた伝統舞踊で、
ダンス、格闘技、楽器、歌、歴史など様々な要素が盛り込まれています。

 

始まりは奴隷制時代のブラジルです。
アフリカから連れてこられた黒人奴隷の自衛手段として生まれたものでした。
彼らは農園主の不当な暴力から生き抜くために自らを鍛え、精神的にも肉体的にも耐える業を模索していったのです。

しかし、その当時に奴隷の人々が格闘技などをすることは農園主の地位を脅かすことから禁止されていました。
農園主に見つからないようにダンスをし、ふざけて遊んでいるように見せかけるため、楽器や歌を用いながらカモフラージュされていったのです。

その長い年月から世界では類を見ない芸術文化として生まれたのが「カポエィラ」です。


※動画はCapoeira Batuque本部のL.A.の動画です。


カポエィラには大きく分けて2つの流派があります。
それが「CAPOEIRA ANGOLA」と「CAPOEIRA REGIONAL」です。

CAPOEIRA ANGOLA カポエィラ アンゴラ

非常に儀礼性を重んじ、比較的にゆっくりとしたリズムの中で動きます。動物の動きから得た動作や遊び、そしてダンス色を含み、手を地面につける低い姿勢の動きが多いことが特徴です。

CAPOEIRA REGIONAL カポエィラ ヘジョナウ

格闘技により近く、スピードもリズムも速い中で動きます。(後に)空手やテコンドーなどから取り入れた華麗で素早い蹴り、パフォーマンス性を意識した派手なアクロバットや回し蹴りの蹴り合いなどが特徴です。

カポエィラ ヘジョナウは、黒人や貧民層によるものだったカポエィラを白人や富裕層に広げるために様々なあいまいなことをより分かり易くすることからシステムや帯の制度、組み手の型などを確立しました。
反対にカポエィラ アンゴラは、システムとはかけ離れ、「より自然に動く・・」「より精神的に感じる・・」といった、黒人のルーツであるアフリカに強く根付いています。

今日、カポエィラは伝統を守りながら、時代と共に進化してきました。


そして近年、その独自性から世界中で多くのアーティストや映画、TVなどがカポエィラに注目し、様々な形で取り入れています。

 

トムクルーズ主演の「M:I 2」やジョージクルーニー、ブラットピット出演の「オーシャンズ11」、また音楽界ではセルジオメンデス&ブラックアイズピースのアルバムの中でカポエィラを題材にした曲もあります。

 

このように海外で注目されているカポエィラもここ日本ではまだまだ認知されていません。

では、なぜ海外でカポエィラは注目され、人々を惹きつけているのか。
カポエィラの魅力とは一体何なのか・・・・・。
カポエィラの魅力、それは格闘技、ダンス、音楽、歴史といった多彩な要素を含んだものだからではないでしょうか。

 

約300年続く歴史や伝統の奥深さには精神性が含まれ、柔道や空手のように目上の人に対する礼儀作法も学びます。


また、アフリカをルーツとするダンスや南米の陽気な音楽とリズムといった、様々な要素がカポエィラには混同しています。
世界にこれほど独特な文化は他にありません。

 

現在のカポエィラは奴隷時代とはまた違った役割として確立しています。精神の統一であったり、健康を保つ一つの方法であったり、人間の内面や外面の向上など、人それぞれがカポエィラを通して生きていく上での大切な「何か」を見出しています。

 

今日の日本は、インターネットの普及や利便性の加速により人々が本当に学ぶべきことが失われているように思います。


本部ロサンゼルスのカポエィラアカデミーでは様々な人々がブラジルの文化を、カポエィラを通して学んでいます。
体を動かすことの楽しさ、音楽の楽しさ、一つのことに対して努力していく向上心、仲間や周りの人とのコミュニケーション能力や協調性、そして異文化に触れることによって育まれる感性、このような「感じる」「学ぶ」「考える」といった目に見えない大切なことを私達、Capoeira Batuque Japãoは伝えていきたいと思っています。

 

最後に、昔のカポエィラの偉人が残した言葉を紹介したいと思います。

「カポエリスタたるものは、次のことを心に留めておかなければならない。
カポエィラは単に攻撃・防御の技を鍛えるだけではなく、肉体と精神の鍛錬を通じて、真に心と体のバランスの取れた人間を育てることを目的としている。


そうすることでカポエリスタは本物のスポーツマンになるのであり、相手を制する前に自分自身をコントロールすることを知るのである。
カポエリスタは冷静で常に平常心でいなければならない。
肉体の鍛錬の上に様々な困難な状況を切り抜けることを想定しながら、その精神も鍛えなければならない。
そうすることでいざという時に、最上の策を取ることが出来るだろう。」

 

現代に残る文化的遺産、ブラジルの伝統芸能「カポエィラ」・・・・
カポエィラは本当に素晴らしいものです。人々の未来にとって、その体験がかけがえのない財産になると信じております。